結局、二人はなんだか料理のことも何もよくわからずに箸をすすめた。
ここ何ヶ月で箸の使い方はマスターした。
今ではウィルよりもうまいと二人はに言われて喜んだものだ。
ちびたちもエドやアルのひざの上から食べ物を頂いていた。
誰も小エド、小アルのことに気を向けない。
子供がちょっとめずらしそうに見るだけだ。
だがそのうち小エドと小アルも満腹になりつまんなくなったのかとエドたちの間を行ったり来たりをし始めた。
するとまるでその二人に続くように子供が一人二人と二人のことを追いかけ始めた。
小エドとしては大きな子分ができたような気分、小アルは友達が増えたような気分になって嬉しくなってますますてけてけと歩き回る。
そのうちが苦笑いをして二人を捕まえてひざに乗せると子供たちもを囲んできた。
『ねぇ、さま。その子たち、座敷神さま?』
ある女の子は小アルと指で握手をしながら言った。
『そうだよ。』
は嬉しそうに答えた。
『すっげー!さんは神さままでつれて来ちゃったんだね!』
女の子よりも少し年上の男の子がを尊敬のまなざしで捉えた。
『神さまっていうかなんていうか。ぼくに福を呼んできてくれたんだよ。』
ちょっと男の子にかわいそうだなと思いながらは苦笑いをした。
『でも、座敷童子に好かれるということは徳が高いんだ』
もっと年長の子供たちがそういい始める。
『そう言ってくれると嬉しいよ』
もう参ったなとは思った。きっとこれはあの従兄弟たちの教育の賜物だろう。
が近くにいないものだからきっといいことばっかを吹き込んだに違いない。
これはなかなかの試練だなとは思った。
下手に悪いことができやしない。
しかし彼はまだ気づいていない。
これからの恐怖の宴を。
2004/2/19脱稿
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