『では神社に参りましょうか』

誰かのこの一声でみなざわざわと動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、神社って何?」

「、、、本当に兄さん。ここの宗教とか文化とか本少し読んだら!」

開けっ広げに聞くエドとそれを少し赤くなってとがめるアル。

「まぁまぁ。じょうがないさ。こんな時代だし。神さま信じてる方が大変だよ。」

と二人の仲介に入る人が一人。

彼はこの輪に戻ってきていた。と言うよりエドとアルを呼び寄せたの方が強い。

は一族の長として一番前を歩かなければならない。

だがみな隊列を組んで歩くでもなしに本家の裏にある山、龍来山にある神社に向かって闊歩していた。

だからはエドたちを一緒に登ろうと誘ったのだ。

「神社っていうのは神さまを祭ってある場所のこと。ちなみに今向かっている神社は神社。

ぼくたち一族の氏子の神社だよ。」

「へーファミリーネームがついてるんだね。」

アルが興味深げに言った。

「そこで今年一年何事もなく諾々平凡に過ごせますようにって願うんだよ。」

「、、、、、、、普通、そこで今年の目標とか健康祈願とかしないのか?」

だが一人、心の中で頷いた者がいた。

世話の焼ける兄を持ったアルだった。

 

 

 

ところで途中から、と一緒に最前列を登っているのはエドとアル、それからちびたち。ユミにその父、当夜となった。

ユミと当夜たちが追いついたのだ。

『それにしてもやはり成長しておらぬなぁー!』

『ねー。父さんもそう思うわよね。』

ユミとトウヤは唐突に話始めた。

ちゃんはかわいいままよね〜』

そういうとの頭を撫で撫でと撫でる。

『ここに来ると思い出さぬか?お主の七五三。あの時は滑稽であった!』

はーっはっは!と豪快に笑いを抱き上げる始末だ。

『おじさん、、、やめてください。』

目の据わったが当夜を見下ろす。

『いいのかな?そんなことを言って?』

そういうとを下ろすと懐に手を忍ばせた。

『これはなんだと思うかね?』

あぎゃーーーーーー!!!!!!

カァカァ、、、カァ、カァカァ。

からすが驚いてばさばさと飛び去っていったのがわかる。

!何かあった、、、」

エドはでかかった言葉を飲んだ。

 

 

 

 

 

は必死にジャンプしてトウヤから写真を奪おうとしていた!!!

 

 

 

 

『おじさん、お願いだから、それだけは!それだけは!!!』

『ふっふっふ、、、みんなに見せようかと思って持ってきたのだよ』

にこやかに笑顔をたたえながら楽しんでいる初老の大伯父、当夜。

対するは豆なのはエドと大差ないしかも小柄な

には勝ち目がなかった。

 

 

 

 

『うわーさま、全然変わってなーい!これいつの写真?』

『えっ10年以上前!?』

『うっそーーー』

子供たちの奇声があがった。

『これって何の時の写真?』

子供は貪欲で無慈悲な生き物だ。

『これはの七五三の最後の年、七歳の頃だよ』

これをにこやかに爽快そうに公開した当夜。

それを聞いて写真とを見比べる子供たち。

その視線が痛い、、、とても痛い、、、。

さまってほんとはいくつー?私15歳くらいだと思ってた!』

『オレ、14だと』

『ってーことは結構な年なんだ、、、』

子供は残酷な生き物です。

 

 

 

 

 

 

アッギャーーーーーーーーーン

 

 

 

 

 

こうしての新たなるトラウマのページは開かれた。

 

 

 

 

 

 

エドとアルはそれから語りつづけるに違いない。

とんだ腹黒一族もあったもんだ。

そして族長で遊ぶ一族があったもんだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2004/2/19脱稿

 

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