「振り返らずにいきなさい。初代石の隠者、エドワード・エルリック、そしてアルフォンス・エルリック。」
フルカネッリのこの言葉を聞いた時、エドは思わず振り返ったが既に門を通った後だった。
そしてそこには誰もいなかった。
いや、神社の本殿の扉が開いている。
エドは脱兎のごとく建物に近づいた。
そこにいたのは。
「、、、、、、、結構速かったね。エド。」
とてつもなく不機嫌なだった。
ちゃんとエドと同じぐらいの身長の。
「だからここの親戚は嫌なんだよ。みんなして僕を笑いものにする。」
むきーっと紋付の袖を唇で噛む。
「兄さん、、、、?」
アルもエドの後からついてきた。
「アル?二人ともわかったでしょ?だから嫌だったんだよ。」
たしかにあんな親戚がいたら帰って来たくもなくなるだろう、、、と二人は頭にそんな考えをよぎらせながら先ほど遭った不思議な体験のことをに聞こうか迷った。
そうこう迷っているうちにの親戚一同が到着した。
宮司はこの神社にはいない。代わりに翁に指名された当夜が宮司の代わりを務める。
昔はいた。
この神社が建てられてからずっとかわらずに。
彼の名前はフルカネッリ・カンスリエ。
この神社を守ってきた者だ。
彼は一族に婿入りした友人と共に神社を建て、そしてある物をご神体として守っていた。
それは赤い石。[賢者の石]だった。
2004/2/19脱稿
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