「どうしてそれを、、、、。」
エドは驚きと疑惑の念を抱いてフルカネッリを見つめた。
「、、、、、、、、、、、」
だが今度の問いには答えが出ない。
アルもの怯えが収まるとを一旦地面に下ろした。
「何か知っているのなら、教えてください。僕たちは戻らなくちゃいけないんです。」
アルが丁寧な物腰で頼んだ。
もしも、この人物がウィルやの師匠ならば知っているかもしれない。
「、、、、、、、、、、、そうだね、、、、。
君たちは戻らなくてはいけない、、、、。
そのためにもから離れないでくれ。」
少し、考えた後にフルカネッリは呟いた。
「どういう意味だ?」
エドがそれだけでは不満だと非難めいた口調で問いただそうとした。
「とにかく、から離れないでくれ。すべてはが持っている。」
「、、、、そして、、、、、を守ってやってくれ。」
その言葉と紡いだ時、彼はとても申し訳ない顔をした。
その顔を見てエドは何かに気づいた。
「お前はに何を背負わせたんだ?!」
アルが今にも飛び出していきそうな兄の腕を握った。
「すべてを。私の守ってきたすべて。そして石の隠者の役目を。」
「石の、、、、隠者?」
エドが新しく聞いた用語を繰り返した。
『、こっちに来なさい。』
唐突に、フルカネッリはを呼んだ。
それに答えてはエドとアルの両方の顔を何度か見た後にとてとてとフルカネッリの元に行った。
『お兄ちゃんたちは?』
はフルカネッリに尋ねる。
だがフルカネッリは横に首を振る。
『お兄ちゃんたちは帰らないといけない。』
そう言った途端に子供の顔はゆがんだ。
『やだ!だってお兄ちゃんたちは友達だもん!これから遊ぶんだ!!!』
そう言って泣き始め、エドたちの元に戻ろうとするをフルカネッリは抱き上げた。
フルカネッリは片手でを抱き上げ、そうしてすっと腕をあげて門を指差した。
「あの門を通り抜ければ元の時間軸に戻れます。」
それは暗に行けと命令している言葉だった。
「おいっ石の隠者ってなんだよ!」
エドは納得がいかずに叫んだ。
「いきなさい。もう時間がない。」
フルカネッリが眉間に皺を寄せていった。
「いってください、、、。お願いです。のために。」
そう言われてアルはエドの腕を引っ張った。
そしてしぶしぶとエドは後ろに振り向き歩き始めた。
「振り返らずにいきなさい。初代石の隠者、エドワード・エルリック、そしてアルフォンス・エルリック。」
の泣き声が森の中を木霊するなか、たしかに聞こえたのはそのフルカネッリのその言葉だった。
2004/2/19脱稿
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