『じゃあ、一緒にあそぼ!』
無邪気なに手を引かれてエドとアルは石段を駆け上がった。
少し登ると視野が急に広がった。
今まで木が両側から押し迫ってくるようなかんじがしていたがそこだけは木が生えておらずその代わりに大きな門みらいなのがあった。その先には大きな建物があった。あれが神社という神殿なのだろう。
『これは、、、?』
エドは触りながらなんだろう、という顔で見上げた。
そうとう古いものなのだろう。その門に塗られていただろう朱色は既にあせていた。
『お兄ちゃんたち、早く!』
はその門の先にいて自分たちを招きいれようと手を振っている。
そこで二人は入ろうとした。だが足が進まない。
「、、、兄さん、僕、足が動かない。」
アルはぎょっとしたような声をだしてエドを見た。
「あぁ、オレも。どういうことだ?」
エドも動揺しながらだが何か探した。
なぜなら彼は感じたからだ。この少しの違和感。静電気に似た肌を刺激するもの。
それはまごうことことなく自分たちの使う錬金術に似通っていた。
そんな門のところで棒立ちになっている二人をみて、は首をかしげた。
『どうしたの?お兄ちゃん。』
『、彼らは入れないのだよ。』
そこにエドでもアルでも、ましてでもない声が響いた。
『フルカネリのお爺さん!』
はそう叫んだ。
だが二人は目を見張った。
声の主は自分たちと同じくらいの少年だったからだ。
『お爺さんはひどいな。。いつもいってるだろう?』
少年は神社からでてきたらしい、そして苦笑いしてに近づき頭を撫でた。
『だってお爺さんには変わりないでしょう?』
少年を見上げては言い張った。
『まぁ、それはいいとして、彼らは一人では入れないよ。手を引いてあげなさい。』
『?うん』
は少年に言われるまま、たったったっと彼らに近づき二人の手を自分の手で引いた。
その途端、彼らはすんなりと門から入ることができた。
「「????」」
二人は不思議そうな顔をして互いを見合い、その後少年を見た。
「そんなに不思議がることはないよ。ここは守られているんだ。そして守っている。」
少年は英語で彼らに語った。
「何を?」
エドはその少年に蹴落とされないように挑むように聞いた。
そうしなければ少年のいいように引きづられると感じたからだ。
アルもそれを感じたのだろう、何も口にださない。
「賢者の石を」
だがそんな彼らの余所に彼の人はすんなりと言い切った。
「!」
二人は声にならない、驚きで空気を振るわせた。
は自分の知らない言葉で会話をしている少年たちを見上げながら怪訝な顔をしている。
「、、、、、賢者の石、、、、、を、、、、?」
エドが声を振り絞るように聞く。
「そう、賢者の石を。ここはもともと賢者の石をご神体にしている神社なんだ。」
彼は見上げるように建物をみた。
その建物はよくよく見ると門のように古びてはいなく、まるでこの前作ったかのように保たれている。
「そして私はここを守っているフルカネッリと申します。」
エドもアルも目を見開いた。その名前は今朝方、聞いたばかりの名前だったからだ。
2004/2/20脱稿
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