「何か隠してませんか?」

ぼくってすごい大狸だなぁ、、、とふと考えている自分が可笑しくて口をゆがめた。

はこう言ったもののどうしようか、と悩んでいた。

実はの方こそ焦っていた。

あの脅しははったりだ。そんな危害を加えるために練成陣を仕込むほど性格は悪くない。ここの住人は。

それよりも腕力のほうが数倍便りになることを知っている。

は持ち得てはいないが。そのためにはったりをかました。

今、そして焦った所為でまたはったりをかました。これは危険な賭けだ。

一度のはったりはいいが、もし二度三度とはったりをかましてそれらがはったりだとばれた時すべて崩壊してしまうからだ。

『あー、いつも通りのポーカーフェイスできてるかな、、、不安だ』

さっきの口をゆがめたのも気味悪く取られるだろうと計算してやった。

そのとおりにエドワードとアルフォンスは目をちらちらとお互いに交し合っている。

しかし、それ以外この二人はあまり表情にださない。どうやらこういう化かし合いに慣れているみたいだ。

それがますますの思考を焦らした。自分より年下であろう彼らのその態度。

自分より年下であろうに、自分と張り合えるほどの狸、または狐かもしれないと思うと怖い。

怖いと思うから焦る。そしてその焦りから、落ちる。

 

『あぁ、、帰ってこないかな、、、、』

今この状況を打開できるのは自分の仲間が増える、それしかないのにそれが望めない。

なんて最悪なことになってしまったんんだろう。

それに「何か隠してませんか?」なんて煽るようなこと言って、、、。

そんなこと全然考えていなかったのにこの口は何故こうもどんどん言葉を出すのか。

軽く自己嫌悪に陥ってみる。

 

 

 

「たっだいま〜良い子にしてたー?お土産買ってきたよー!!」

唐突だった。この家の住人であり、主人である彼が帰ってきたのは。

「、、、、あぁ、お客さん?どこの誰でしたっけ?えーとハリーのとこの双子?な訳ないよな。

あいつらはもうこんなチビさんじゃなかったし。それともサイモンとこのガキども、はもっと小さいか」

「なんだとー誰が小さいチビガキだとー!!」

「ふむ、訂正この口の悪さは小バーナバスだ。」

「小ーーーーーー!!!!」

さっきまでの緊迫した状況を帰ってきて早々この家の主人での錬金術の師匠であるはぶち壊した。

エドワードはチビとか小さいとか小とかの言葉に一つ一つ反応し今まさにに殴りかかろうとしている。

「兄さん!」

アルフォンスはこれ以上の混乱を防ぎたいがために自分の兄を羽交い絞めにした。

「やぁ!良く出来た君はたしかサムのところのフロドだっけ?」

はアルフォンスに向かってそう言った。

「だとすればこの小さいのはえぇーと」

 

ぶち

 

決定的な言葉を言われエドワードは切れた。

エドワードはアルフォンスの腕からするりと抜け出しの足を蹴り飛ばそうとした。

だがそれは、が飛び上がりさがることで回避。

「攻撃的、、、小さい、、、口が悪い、、、」

エドワードは怒りに身を任せて、に拳を打ち込むがはひょいひょいとかわしながらまだぶつぶつ言っている。

その内容にまた小さいという言葉があるからエドワードはどこまでも彼を追いかける。

「あぁ!そうか!イライジャだね!ごめんごめん」

そういうとはエドワードの拳をよけてエドワードに抱きしめた。

「久しぶりだね〜リジィ。ランドルは元気ー?よく来てくれたねー」

良い子良い子とはエドワードの頭を撫でる。

「はなせーそれにオレは小バーナバスでもイライジャでもリジィでもねぇ!!」

「えー?じゃあ誰?ジョナサン?シャンカス?オリバー?アナド?は女の子だ。じゃあローワン?これ以上は思い出せないよ」

は困った顔をしてエドワードを見下ろした。

「オレの名前はエドワード!エドワード・エルリック。つーかお前は誰だよ!」

「僕はこの家の主の・ウィリアム・ウォルサムだけど。、、、エルリック?、、、、

はやっとエドワードを離し、に顔を向けた。

はこの状況に喜んでいいのかわからなかった。さっき以上の混沌とした状況になるのではと確信してしまったからだ。

そんなことを考えていて急に師匠に声をかけられても反応することはできなかった。

「ねぇ!くん!、、、、エルリックって親戚いたっけ?もしくは知り合い。」

「いません。」

はあらぬ方向へ目を向けて答えた。

「じゃあ、、、、この人たちって誰?」

「、、、、、、、」

は黙っている。それがわかれば苦労はしてないよと考えながら。

「まさか、知らない人?」

「、、、、、、、」

「知らない人を家に入れたの、、、?」

「、、、、」

「何でだまってんのさ」

「えー、と」

「ふう、お留守番もできないお子様だったんだね。

やれやれと首を振りながらは椅子に座った。

「お子様ゆーな!」

「いいかい?何回も言ってるけど知らない人をお家に入れちゃあぶないって何度も言ってるでしょ?」

「子ども扱いするな!」

「僕よりかは子どもでしょうが」

「三つしか離れてねーし!」

はいきり立っている。

「それでこの人たちはどうしたの?」

は親指でエルリック兄弟を指差した。

「まさかと思うけど、捨てられていたから拾ってきたなんてことはないよね?」

 

 

 

 

 

2003/11/21脱稿

これを読んでにやりと笑った人、お友達になりましょう。(笑) 

  

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