「オレたちはどこかへ飛ばされた!」

 

「お取り込み中悪いんだけど、、、ちょっと退いてくれる?」

「「うわ!!」」

兄弟は飛び上がった。まさか急に出てくるとは思わなかったからである。

そんな兄弟を横にはふきふきとコーヒーをふき取る。

布巾は瞬く間に白から茶色へと変色していく。

「あー!どうしよ!、、、しみになっちまう、、、師匠、、、」

突然叫びだしたと思ったらカーペットにコーヒーが染み込んでいる。

「、、、ごめんなさい、、」

なぜかその叫びに謝るのはアルフォンス。

「、、、、、。」

は黙っている。

「、、あの、、、ごめん」

エドワードもを怒らせたと思い素直に謝った。

それでもは黙っている。

「「、、、、、、」」

二人も黙ってしまった。

「、、、いや、気にしなくていいよ。、、、それよりこれからすること見ても黙っててくれるなら」

そうは言うや、コーヒーがこぼれているところを中心に指で円を描いた。そして両手をついた。

 

バチッ

 

火花が飛んだと思うとそこにこぼれていたコーヒーは乾燥した。

エドワードとアルフォンスは目を見張った。これは、、、、。

は二人の気にしたふうもなくカーペットを叩いて汚れを取った。

「あーよかった!エドワードくんが砂糖入れてなくて。砂糖入れてたら大変だったよ。あっ、さっきの秘密にしといてね。ばれるといろいろ大変だから」

はそういうと口元に人差し指を持っていった。

「あなたは、、、、」

アルフォンスが問うのをエドワードが続けた。

「錬金術師なのか?」

 

 

 

目を見張るのは今度はの番だった。

『この二人は今なんて言った?』

そう思った。手品師や超能力者なら言われたことがある。そして忌み嫌われてきた。

しかし今、目の前の二人は始めてあって、話してもいないのに『正解』にたどり着いた。

『はじめて』だった。

 

「今、なんて言った?」

は脳裏に浮かんだ言葉を繰り返した。

「だから、あんたは錬金術師なのかって」

「兄さん!」

アルフォンスが責め立てるように聞く兄を抑えた。

「君たちは、、、、何者なんだ?何が目的だ?」

はこの兄弟を睨みつけた。

 

「ぼくたちは錬金術師です」

アルフォンスはきっぱりと言った。今兄に口を開かせたら衝突が起こると予想をして。

「錬金術師、、、、?本当に?」

はさっきまで強気に睨んでいたが今は不安がその瞳の奥にちらついているのがアルフォンスにはわかった。

そのことはエドワードも感じ取ったらしく少し態度を変えた。

「あぁ。オレたちは錬金術師だ。」

「、、、、、、、、証明は?今ここで何か証明できる?」

はあからさまな警戒心を兄弟に向かって示した。

アルフォンスは兄を見た。エドワードもアルフォンスを見、一つ頷くとパンっと手のひらをあわせた。

 

「、、、、、、、、!!!!」

は言葉を失った。目の前で起こっていることが信じられなかった。

ありえないとさえ考えた。

「これで信じてもらえる?」

エドワードはそういうとにっと笑った。

エドワードの手には小さな木馬がのっていた。

 

  

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