「どうぞ」

目の前に出されたのはコーヒーとオレンジジュースがふたつ。

 

「ありがとうございます」

アルフォンスは答えた。兄の方は何も言わずコーヒーに口をつけた。

 

「、、、、、、、、」

「、、、、、、、、」

「、、、、、、、、」

また沈黙。なんか間が悪い。

 

 

『さてどうしたものかな、、、』

そう思いながらはオレンジジュースに口をつけた。

喉が渇いていた。さっき、緊張がふっと切れたからか。思えばこの二人が現れてからはずっと緊張していた。

 

『変な奴、、、』

エドワードはそう思った。アルフォンスもそう思ったのだろう。二人は顔を見合わせた。

 

「二人はどこから来たの?」

唐突なの質問は少しずれていた。

「は、、、?」

普通、名前を先に聞くだろうと思っていた二人はたまげた。さっき自分たちのことを知らないと言った者の言葉とは思えなかった。

「え、えーとひとまず、、、」

アルフォンスは隣に座っている兄を見た。エドワードは一つ頷いて

「オレの名前はエドワード・エルリック。こっちは弟のアルフォンス・エルリック。どこって言われても運んだのはお前かお前の仲間か誰かじゃないのか?」

エドワードは己の名と質問の答えをに投げかけた。

「いや、ぼくじゃないよ。ちなみに君たちはぼくの目の前に急に現れたんだからね。

すごく光ったと思ったら君たちがこの家の工房に倒れていたんだ。

君らは気を失っていたからしょうがなくぼくが介抱してあげたの。」

わかった?というようにはエドワードたちを向かって顔を傾けてみせた。

「ちなみにアル、、フォンスくん?君、全裸だったよ」

そういうとアルフォンスが真っ赤になった。

『あぁ、こっちの子はかわいいなぁ、弟かぁ、いいなぁ』

はそんなことを考えながら二人の回答を待った。

「じゃあ、この服、、、、」

とアルフォンスは言いよどんだ。

「ぼくの服を貸したよ。ちょっと小さいかもしれないけど」

 

 

「!」

そんなアルフォンスの様子と違ってエドワードの様子は何かを必死に考え始めた。

「それは、どんな様子で、、、?変わったことは何か、、、?」

「急に部屋が明るくなって、、、ほんとそれぐらいだよ。変わったことって。」

「その部屋、見せてもらえますか?」

エドワードは身を乗り出した。その時コーヒーが腕に引っかかってこぼれた。

「兄さん!何やってるの!」

アルフォンスがすぐに咎めた。

「あ!大丈夫だよ。すぐ布巾持ってくるから」

そういうが早いか、は奥へ消えていった。

「もう〜兄さんはいつもー」

「アル」

ボーとしてるからと咎めようとしてアルフォンスは急に真剣な雰囲気を醸し出した兄をみつめた。

「何?兄さん」

「オレたちは大変なことになったのかもしれない。」

「へ?大変って?」

「今の話、聞いてただろ、」

「うん。」

「お前が裸だったって」

「兄さん、そのことについては触れないで、、、、」

アルフォンスが目を細めて手をかぶせた。

「つまりオレたちは人体練成時にそれかその後その光に飲まれた。」

「、、まさか、、、」

「その、まさかかもしれない。賢者の石だもんな。何が起こるかわからない。」

「、、、でも、、、。」

「おまえだっって真理を見ただろう。」

「そう、だけど」

「それにオレたち、人体練成後の記憶ってあるか?」

「、、、、、、、、」

アルフォンスは黙り込んだ。そうだ、自分たちは人体練成後あそこで目覚めるまで記憶はない。

自分関して言えば人体練成の途中から記憶は怪しい。

 

「オレたちはどこかに飛ばされた!」

 

  

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