「、、、、誘拐だったりして」

彼らは身の危険を感じ始めていたのかもしれない。

 

 

『あぁ、レポートが終わってしまった』

 

は目を上げた。昨日工房を片付けていたら突然少年が何も無いところから、出現した。しかも二人も。

は驚き困惑したが、自分は幻影を見ているのではないかと疑ったがどうも触れるし暖かいし出現方法以外では現実感がありすぎた。

はどうも気を失っているらしいこの少年たちを今はあまり使われていない寝室に引きずるかのように運んでいった。

とくに全裸だった少年は自分より大きいらしく大変だった。服を着せるのも大変だった。

服はこの家にたまたま置いてあった、自分のパジャマを着せた。

『あの子らは何者なんだろう、、、、どうやって現れた?、、、これからどうしよう、、、』

そんな好奇心や不安で気分が悪くなったは二人を寝かせると自分は客間であの二人が部屋から出てきたらすぐ気づけるようにそこでレポートをやっていた。

結局その日の夜には二人は起き出しては来なかった。は一人夕食を取り、二人が寝ている部屋に鍵を外からかけて客間で夜を過ごした。

朝、が起きだして二人の様子を、いや二人が夢でなかったかを確かめに行った。

二人はちゃんとベットで寝ていた。この姿を見たはまたもやぐったりと疲れた様子になった。

『あぁ、やっぱり夢じゃなかったのね、、、』

そして朝食を食べる気にもなれず昨日のレポートの続きをしていた。レポートをしている限り現実を見なくてすみそうだったから。だがそのレポートも今こうして終わってしまった。

時刻は昼を少し過ぎていた。外を見ると昨日の嵐がうそのようだった。快晴とはこのことである。

「洗濯物でもするっかな〜今ならまだ午後までに乾くだろーしなー」

は明るい口調で言ってみた。心の中は未だ嵐が吹き荒れていたが。

 

「ねぇ兄さん、この家、誰の家なんだろうね、、、。っていうかどういう人の家なんだろうね、、、」

アルフォンスはどうしようと弱っている。

「、、、ちょっくら様子を見てくるか」

そう言うとアルフォンスの兄エドワードは三つ網を直し始めた。

「兄さん、、、」

「そんな顔すんなよ。まだ相手がこちらに危害を加えてくるとは限らないし」

そういうと彼は弟の鼻を軽くつまんだ。

「ちょっと、もう。、、、、そうだね。でも手荒なことは無しだよ。」

「あぁ!、、、、、それじゃ行きますか」

エドワードはトレードマークの赤いコートを羽織ながら言った。

 

 

「おっせんたく〜おっせんたく〜しっしょうは洗濯、しっないのよ〜だかっらこんなにたまってる〜」

さんちょっと壊れ気味に歌っております。怖いです。

そんな歌を歌いつつはぽいぽいと洗濯機に服を放り込んでいく。

「よし、スタート!」

ピッという電子音の後、洗濯機は静かに回り始めた。彼の師匠は洗濯はあまりしない。

そのためかはわからないが大容量洗える洗濯機を持っていた。

「さて、やっとお腹がすいてきた〜飯だ!飯にしよう!」

そういうと彼はててて、と駆けていった。

 

「なんの歌だったんだろう、、、今のは、、、」

「さぁ、、、でもなんか危ないやつではなさそうだな」

兄弟はそういうと静かに廊下を歩いて客間に向かう。

 

この家は客間を通らないと他の部屋に行くことはできない構造になっている。

それこそ窓から出て外から他の窓へ入る、そんなことをしない限り客間で見られないようにするのは無理だ。

そうして彼らは出会うことになった。

 

「、、、、、、、」

「、、、、、、、」

「、、、、、、、」

固まっている三人。用は鉢合わせしたのである。

特にはこれでもかというほど目を大きく開いている。

「、、、、、、、」

「、、、、、、、」

「、、、、あんた、誰?」

沈黙を破ったのはエドワードだった。

「、、、、、、、ぼくは 。」

はまだ目を見開いたまま答えた。呆けている、とはこのこと。

「に、兄さん!普通は自分から名乗るのが礼儀ってもんでしょう!あの人驚いてるよ!」

「、、、確かに。だけど相手は知ってるかもしれない」

『さっき言ってたことと反対のこと言ってるよ!この人』

アルフォンスは心の中でそう叫んだ。一番最初に誘拐説を振っといて今語ってるのは誘拐説だと。

「、、、、ぼくは知らないよ。君らは誰?」

少し、落ち着いたのかは二人を見据えた。

『この二人は兄弟だったのか、、、』

はそう思いながら二人を見比べた。

兄さん、そう呼ばれてたほうが身長が低い。

なんだか親近感を抱いただった。

『、、、変な人たち、、、だけど変じゃないっか』

「立ち話もなんだからそこにかけて。何か、飲み物、欲しい?」

首を傾けながらは聞いた。

「んじゃ、コーヒーで」

「兄さん、、、、」

「君は?」

「ぼくはお構いなく、、、」

エドワードは速攻で答えそれをアルフォンスは咎めた。そんなアルフォンスに聞いた後、すぐは奥に引っ込んでいった。

 

  

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