「出かけるってどこに?」

エドワードは上着を着ながら聞いた。

「君たちの身の回りの物を買い与えよという指令がでてるんだよ。」

「誰に?」

「決まってるだろ?さ」

「「ウィル?」」

エドワードとアルフォンスは顔をあわせながら言った。

「そうそう。そうか、君たちはのことウィルって呼ぶことにしたんだ。」

「あぁ。本人がそう呼べって言ったからな。そうだ、オレのことはエドでいいから。」

「僕はアルでいいよ。」

「おう、わかった。んじゃ用意できたな。行こうか。」

そう言うとはエドの部屋から出ようとした。

「あ、その手に持ってるの。兄さんのコート?」

「あっごめんね。昨日洗いっぱなしでまだ干してないんだ。」

は手を合わせる仕草をした。

「いいって。まだ濡れてんの?」

そういうとエドは感覚のある左手で触った。

「うん。ちょっとね。今日は天気いいから今から干しても乾くと思うよ」

「いいって。干さなくて。」

そう言うや否やエドは手をパチンと合わせるとそれから赤いコートを触った。

すると軽く蒸気がでてコートはあっという間に乾いてしまった。

「、、、、すげー、、、」

はその早業を見て感嘆の言葉をこぼした。

エドはからコートを引っ張り取るとハンガーを取ってはおった。

「なぁ、それってどういう構築式、頭に描くの?」

は尊敬の目でエドを見た。

「?頭に描く??」

「それって頭に描くから練成陣なしで練成できるんだろ?」

はさも当然のように言う。

「はぁ?そんなんじゃねぇよ。こうだな、腕で円を描いて力を循環させてるんだ」

エドは手はあわせていないがそのような格好をしてみせ、説明する。

「なぁんだぁ、、、。違ったのか。」

はおもしろくなさそうに言った。

「なんだ?お前も出来ると思ったのか?そんなに簡単じゃねぇよ。こいつは。」

エドはそう言うと自嘲のような笑みを浮かべた。

「出来るさ。ぼくは構築式を頭に思い浮かべれば。」

は憮然と語った。

「はぁ?!何だって?」

「嘘でしょ?」

これにはアルも驚いた。

「出来るよ。、、、でも簡単な物しか出来ないけどね。」

そういうとは手をおわんの形にした。

「、、、、、、、、、よし!」

の唇がかすかに動いた後にそういうとバチッと練成反応が起こった。

「「、、、、、、、、」」

二人は黙っていた。

の手の中には水があった。

「今ここではちょっとした感想注意報が出ています。」

そういうと今度は片足が床にカツンと叩く。練成反応の後、今度は小さな炎が出た。

「さぁ、消火だ。」

再度の練成反応で水がさっと霧状になる。

「ってこんなもん?」

額に汗を浮かび上がらせては不適な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えええええ!練成陣は?どこ?」

アルはの腕を見た。どこにも刺青や練成陣が描かれた形跡はない。

「どうなってるんだ?」

エドはそう言うとの顔を見た。顔色が悪い。脂汗を浮かべている。

その顔を見てエドは一つの結論に達した。だが今までそんな無茶な練成をやっているものなんて見たことがない。

反対に考えてそんな力を持っている奴が世界に存在するわけがない。

だが、目の前にいる。

、お前、練成陣なしって言ってたけど構築式はあるんだったな?」

「うーん、、、。やっぱりその顔だといけないことなのかなぁ、、、この練成方法。」

はエドの顔を見てばれたことに気づいたようだ。

「いけないも何も体にかなりの負担がかかるだろうが。」

エドはやっぱりと思いつつを睨んだ。

「うーん、師匠にも言われたような気がする、、、。」

困ったような寂しげなような顔をはした。

 

 

「え、え?どういう意味?兄さん」

「アル、わかんなかったか?の練成と通常の練成との違いが」

エドはあえて答えをやらずにヒントを与える。

「違い、、、、大きな練成反応、、、もしかして!でもそんなこと」

アルも合点いったようだ。

「あぁ、むりやり力でねじ伏せて練成してるんだ。まったく、驚き物だぜ」

エドは一息つくと言った。

「よくわかったね。これで手品〜とか言うとみんな喜ぶんだなこれが。でもこれって疲れるんだよね〜」

「そりゃぁそうだろ。力が流れやすいように円を描くのにお前はその円を描かない。つまりかなり力が流れ難いのを無理やり通してるんだから。」

「それじゃあかなり力が無駄になってない?」

アルがエドの説明に疑問を指す。

「そう。だからその顔だ」

びしっとエドはの顔を指差した。

「むう!人のこと指さしちゃいけないんだぞ。」

はすべてのネタ晴らしをされてしまって少しふくれながら言った。

「そのうち身を滅ぼすぞ。そんな練成だから簡単なのしかできないんじゃねぇか?」

エドは指摘した。

「ムキー!大丈夫!!もっとやりやすい方法見つけるからさ!それより簡単言うなー!!自覚してんだから〜」

は悔しがりながら歩き出した。

「行くぞ!二人とも!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2003/12/11脱稿

 

 

  

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