「天の園」って知ってますか?
と、聞かれて答えられるのは多分あまりいないだろう。
東松山市民でも知っている方は少ないかもしれない。
はじめまして。現在東松山市に住んでいる夢見由宇と申します。
このページではは東松山を舞台にした小説「天の園」の紹介などが載せてあります。
ところでみなさんその「天の園」、知っていますか?
きっと知らない人が多いでしょう。私もちょうど一年前までは知りませんでした(笑)<2002年あたりの話です。
「天の園」全六部、作者は打木村冶(本名打木保)。時代は明治大正。比企郡唐子村の1少年の小学校時代を一部一年で構成されています。
1少年の名前は河北保。この保少年の唐子尋常小学校入学から川越中学(現在の県立川越高校)を合格するまでの成長と暮らしの日々が事細かく描かれています。
(作者の本名と主人公の名前が同じです。なぜならばこの主人公は作者自身だからです。今で言うところの自伝、私小説といわれるジャンルになると思います。)
姉妹本として「大地の園」(全四巻)という保少年の川越中学の生活などを書いたものがあります。
あらすじ(紹介)はざっとこんなもんでしょう。
詳しくは小説を読んでください<おいおい(汗)
この小説のおもしろいことはこの東松山の昔からの文化、歴史がわかることでしょう。
今では忘れらさられたこともこの「天の園」には描かれているのです。
それに主人公の保少年は約百年前を生きた少年ですがとても親近感があります。
保少年の遊び方やものの考え方感じ方がすごく今の子でも感じるんじゃないかなと思います。
実際私は読んだ2002年当時16歳ですがすごく保が近くに感じました
私はこの小説を読むことで東松山について知らなかったこと、この武蔵野の自然など気づかされたことが多くありました。
そして人として大事なことを感じました。
できればこのことを色んな人に伝えたい、、、と未熟ながらに思いました。
そこで「天の園」を私なりに紹介してみようということでこのようなページを作ることになりました。
この本は私が「これを知っていたらもっと天の園に近づけるんじゃないかなぁ」と思って調べたことなどを中心に展開していきます。時には天の園から離れてしまうこともありえますがご了承ください。
間違いだらけの絵もありますがそこのところもご了承ください。当時の資料などはなかなか手に入らなかったのです。
小説「天の園」について
作者打木村冶(本名打木保)長編小説。児童文学。全六巻。
1972年実業之日本社から第一刷(上製)が発行(第一部から第六部)。かなり挿絵が豊富に入れられている。興味のある方は東松山市立図書館の一階、郷土資料のところにあるので。
(現在この出版社から出たこの本は入手不可能)
後1976年偕成社から第一刷(文庫)が発行された(第一部から第六部まで)
舞台は埼玉県比企郡唐子村(現埼玉県東松山市唐子)。内容は作者打木村冶氏の少年期(明治晩年から大正初期)をモデルに書かれた物語である。
(あくまで物語)自伝性の濃い作品となっている。テーマは自然が育む心と母の愛といったものである。
一部一年の物語構成になっている。(全6部で小学校1年〜6年までを描いている。)
姉妹本として">「大地の園」(全四部)がある。
著者打木村冶(ウチキムラジ)について
明治37年4月21日〜平成2年5月29日(1904年〜1990年)本名打木保(ウチキタモツ)。小説家。
大阪府に父徳三郎と母けいの次男として生まれる。父は逓信省官吏だったのだが脳出血で倒れたため保が3歳の時、母の実家のある比企郡唐子村に一家で移り住んだ。
この年父は他界する。また保5歳の時村を襲った伝染病で兄と弟を失った。
以後母と二人の姉と共に唐子の豊かな自然に抱かれ成長した。
唐子尋常小学校(現唐子小学校)を卒業後は川越中学(現川越高校)に入学。
中学二年のとき、姉の嫁ぎ先を尋ねた際、義兄の所蔵していた多くの文学書に触れ次第に文学への関心が目覚めていった。
第一早稲田高等学院を経て、昭和3年早稲田大学政治経済学部を卒業。大蔵省税務官吏になる。
東京厩橋税務署勤務の5年、管内の東京入谷に住んでいた川端康成の税務を担当したことにより知遇を得て、以後川端を文学の師と仰ぐ。
昭和8年6月に同人誌「作家郡」を創刊主宰。同じ年の9月、大蔵省を依願退職し作家生活に入る。
その後いくつもの作品を発表している。(打木村冶作品一覧参照)
昭和10年岡邦夫九州教授を中心とした進歩的改革に関係したという理由で宮元百合子・佐多稲子らと共に検挙された。
(コムアカデミー事件)ちなみにこの事件のため同人誌「作家郡」は廃刊となった。
後に開拓文学に手を染める(言い方に語弊あり)。そのため戦後、再び文壇に出ることは無かった。
(戦争責任)それでも戦後は児童文学を中心に作家活動を続けていた。それの集大成と言われているのが「天の園」である。
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