「僕の理由はわかったでしょ?」

は先程の鋭利な刃物でもありそうな目つきからいつもの穏やかな二人の知っているに戻っていた。

「僕としてはエドたちがどうして賢者の石を探しているか知りたいんだけど、、、?」

目を丸くして本当にさっきまで話をしていた本人かと思うほどきょとんとして聞いてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「、、、、、、」」

二人は黙ったままだった。

それを見かねたのかは髪の毛を掻き揚げると「義母さんには言わないわよ?」と付け加えた。

「というより僕も帰ったら何されるかわからないからね、、、、」

フフフと不気味な笑いをしながらは言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも尚、二人の沈黙が続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「、、、、、、、禁忌を犯した。」

その言葉で二人はぱっと顔を上げた。

の目は遠くを見つめ虚空を見つめている。

三人は黙ったまま数分を過ごした。

「ごめんね、、、。やっぱりそうだったんだね。」

はポツリとそう言った。

「予感はしてたんだ。僕も翁も。だから翁は君たちに錬金術を教えたくなかった、教えなかった。」

そういうとは立ち上がってエドとアルに近づいた。

「ごめんね。ごめんな。気づいてたのに。あのままやっぱり僕は君たちから離れなければよかった!」

二人を抱きしめながらは言った。

「気づいてたの、、、?」

アルが驚いたような声を出した。

「そりゃあ、あの年でタンパク質のこととかアミノ酸のことを話してたらおかしく思うよ」

の声が震えている。は二人を抱きしめながら泣いていた。

の、のせいじゃないから!これはオレたちの犯した罪だから!」

エドは昔に戻ったような気がした。

いつもこの人は自分のことを庇ってくれる。優しい人。傷つけたくない人。好きな人。

「だから、泣くなよう、、、!

エドは搾り出すように言葉を紡いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2004/3/7脱稿

 

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