「到着〜!」
なんとも間抜けな声を出しては三階、男物の洋服売り場に降り立った。
そのの前にはすでに降り立っていたエドがいた。
「遅いぞ!」
エドが頭のアンテナをふりふりと揺らしながら言った。
「遅いって言われてもねぇ、、、」
「兄さん、、、、」
はなんとも、アルに至っては情けない表情をして呟いた。
彼らはエスカレーターで五階から降りてきたのである。
エスカレーターは人が二人、並んで乗れるかそこらの大きさである。
それにこれは通常、機械に任せて人は歩かないのである。
機械の流れに沿って人が流れて行くのだから、乗ったのが遅かったか速かったかで到着時間に差がでるのは仕方がないのである。
それをとアルは頭の中で考えていたのだが、いかんせん、今のエドには何を言っても逆上させるだけどと思い黙ってしまった。
「おら!どこへ行けばいいんだよ!」
エドは黙ってしまっていたに向かってギンッと睨みながら言った。
「、、、、、、、、」
「、、、、、、、、、、」
その様子にアルはほとほと呆れてしまい、思わずを見た。
もアルを見ていた。ちょっとびっくりしていたようだ。
アルと視線があうと、は苦笑した。
その苦笑に、アルはちょっと救われた気になりながらにどうぞ、と視線だけで促した。
「こっちだよー」
アルのその視線に気付いたのか、は二人にそう言いながら歩き出した。
「うーん、やっぱりねぇ、、、」
は唸っていた。
「そうだよねぇ、、、」
アルがそれに答える。
「、、、、、、、、、、、、、、」
エドは無言だ。
「やっぱりさぁ、子ど」
「だぁあああああ!」
が言い終わる前にエドが噛み付いた。
(実際に噛み付いたわけではありません)
「でも、兄さん。だって、、、」
アルもどうやらと同じことを言おうとしているようだ。
「それ以上、、、言うなぁ!!!」
エドが顔を真っ赤にさせながら叫んだ。
現在、彼らは紳士服売り場にいた。
エドは服を試着していた。
アルも試着をしていた。
は二人に合いそうな服を持ってきては着せていた。
「、、、、、でもねぇ、、、」
があごに指をあてながら眉間に皺を寄せた。
「アルはいいんだけどねぇ、、、」
アルは現在、長袖のワイシャツにセーター。そして足にぴったりとした黒いズボンをはいている。
ズボンの裾丈もばっちりである。
まだ会計は済ませていないがひとまず、アルはこの服を買うことは間違いないだろう。
変わって、エド。
「兄さん、どう考えても裾が」
「言うなぁあぁああ!」
あぁ、泣き出した。
そう、エドが現在試着している服。
腕の袖とズボンの裾丈が、、、。
あまっていた。
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