「あー、、、日が沈むねぇ、、、、」
そうはいうと少しでも高い位置から夕日を見ようと柵に登った。
「ー!倒れるんじゃねえぞ!!」
「たいじょーぶ!だいじょーぶ!!」
はそういうとエドに笑顔を向けた。
今日はかくれんぼをして遊んだ。
そこまではよかった。
しかし、、、。
「ー、、、ー!!!くっそう、、、見つからねぇ、、、」
最後の最後というときにエドは鬼になった。
半分怒りながらアルとウィンリィを見つけたまではよかった。
しかし。
「ー、、、ばかー!!!でてきやがれ!」
最後の一人、はなかなか見つからない。
母親たちに約束していた時刻になったのでエドは二人を帰して探しを続行していた。
帰っているかもしれないということをエドは微塵にも考えなかった。
はそんなことをするような子ではないという確信を幼いながらに持っていたから。
「ふふっ呼んで出てくる方こそバカでしょ、、、」
そんなエドにうまく見つからないようにしながらはそんなエドに突っ込んだ。
まぁ、突っ込んだところでエドに聞こえるわけがないが。
は探しまくるエドを見ながら潜んでいた。
エドに見つかりそうになるとは静かに移動してエドの後ろ側に回り込んだ。
そしてエドを観察する。
なぜ、エドは諦めて帰らないのだろう。
誰だって自分を見つけられなかった。親だって音を上げた。
今日だってもうとっくに帰りの時刻を過ぎている。村の鐘は鳴った。
それなのにエドは未だ自分のことを探している。それが不思議だった。
これではエドも自分も親に怒られてしまうことがわかっているだろうに。
だからエドはアルやウィンリィを帰らしたのだろう。
だが終わりにしようという言葉は一言も漏らさない。
子供の遊びの世界で唯一決まっていること、それは帰る時刻になったら遊んでいても「もう終わりにして帰ろう」と言い合って家へ帰ることだ。
かくれんぼにしても同じことだ。
少し大きめな声でそう叫べばみんなぞろぞろ出てきて家路につく。
嫌な奴は隠れたままそのまま家に帰ってしまうこともある。
それなのにエドは一度もそう言わないし、未だ自分のことを探しつづけている。
それがなんだかこそばゆくって。だから出ていいかずにエドを観察するようなことになってしまった。
『このままじゃホントに怒られることになっちゃうなぁ、、、』
そんな気持ちが行動に出たのだろう、少し草を揺らした。
それがエドにとっては決定打に。にとっては致命的なことになった。
「見っけ!」
エドは草ごとを抱きしめた。
「見つかっちゃった〜、、、」
それにはも抗えなくて。
「帰ろうか」
そう言って手を出してくれたエドは太陽のような笑顔だった。
「何、ババ臭いこと言ってんだよ」
エドがをはやし立てる。
「ホントのことじゃない。そんなこともわからないなんてやっぱり男って駄目よね〜」
はそう言って鼻でふんっとした。
「いっつもはさー家の窓からしか見ないからたまにはこういうのもいいかなって」
そうが言っている最中だった。柵が崩れたのは。
「えっ」
はとっさのことで受身を取れずにいた。
「!」
どさっ
「は、へ?、、、」
「いった〜」
は呆けたような声をエドは痛そうな声をあげた。
「え、エド?」
は自分を抱きしめて倒れているエドを見た。
エドは脳天を思い切り地面に打ちつけたみたいで痛そうに顔を歪ませている。
「だいじょぶか???」
それでもエドは眉間に皺を寄せながら聞いてきた。
「う、うん。え、エドは?」
エドの苦痛の顔に驚いたはどもりながら聞いた。
「大丈夫、、、。」
それを聞いてはエドを起こした。
「それにしても言わんこっちゃない。倒れるなよってオレ、言っただろ?」
エドが苦笑いしながら、そして意地悪く聞く。
「うん、、、エド、ありがとう、、、。」
それに今度はエドが驚いた様子だった。
がいつものに思えなかった。はかなかった。
とても儚くて消えてしまいそうだった。消える、その言葉が脳裏に浮かんだ途端にエドは理解した。
自分は意地でかくれんぼを続行していたんじゃないと。
ただ単にがそのまま消えてしまうような気がして。それが嫌だったのだ。
それに気づいたエドはが消えないように無理矢理手をつないで家路についた。
それはある日の夕方の出来事。その日は夕日が綺麗だった。
2004/3/1脱稿
To埼笠雪さま From夢見由宇
さて、これでよいでしょうか?雪さ〜ん!!
今回、22222キリバンゲッターの代理人としてリクエストしていただきました。
エド夢です。特に指定がなかったので好き放題にさせていただきました。
、、、い、嫌だったら書き直すからね、、、、。
それにしてもやっと代理人が決まったよ、、、よかった。
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