「お、お帰り。二人とも」
僕が、いや私が出迎えたら二人は硬直した。
そりゃあ僕、じゃなかった私の今の姿を見たら硬直するさ。
だって今私が着ているものは。
「見ないうちにたくましくなったね」
ひとまず一声。
「あ、ああ。生きるってすばらしいな、、、、、、で合ってる?」
「うん。それが合ってるんだな。僕も不思議だよ。」
「さん、どうしたの?何があったの!」
アルの驚きようはすごかった。
「、何度言ったらわかるんだい?僕じゃなくて私!」
イズミがに厳しく言った。
「あーごめん。義母さん。」
「「義母さん!!!」」
二人は同時に叫んだ。
「えっと、はじめまして!僕、、、、私は・カーティス。よろしく!」
が僕という単語を言った瞬間にイズミの目が光、は言い直した。
「え、え、え、、、どういう意味?」
エドにいたっては放心状態。そんなエドと反対に少しだけ冷静なアルがその代わりに質問をした。
「つまり、私はカーティスさんちの子になったんだよ。」
そう言っていつものはにかんだ笑顔を見せた。
これを見て確かにだと二人は確信した。
「でも、、、その姿は、、、」
そう、二人が驚いている理由はの格好だった。
はウィンリィが着ていたような、そうまるで女の子のような格好、、、というより女の子の格好をしていた。
「これだからあの爺さんは!はこれでもれっきとした女の子だよ!」
イズミは顔に手を当てながらそう言ってのけた。
「お、お、」
「「おんなのこ〜〜〜!!!」」
二人は今日二度目の絶叫を上げた。
「どうせあのくそ師匠のことだ。のことを男として育てようとしたんだろう、、、。
ああ!心配してた通りだよ!」
イズミは食卓につきながらまたため息をついた。
「いや、爺ちゃんは爺ちゃんで何か考えが、、、」
「考えがあったとしても顔に傷をつけるなんて!嫁にいけなくなったらどうする?」
イズミはそう言って凄んだ。
そんなイズミを見てエドは体を硬くした。
「義母さん。これはちょっとした事故だよ。」
はそんなエドに気づいて話をそらそうとした。
「そ、それより二人とも、その、、、騙してたっていうか、、、許してくれる?黙ってたこと。」
は申し訳なさそうにエドとアルに話し掛けた。
「ゆ、許すも何も。が女でもオレの友達で命の恩人であることには変わりないぜ!」
エドはどぎまぎしながらもそう言い切った。
「僕はどちらかというとほっとしてるよ、、、。」
「何?アル。なんでほっとするの?」
は顔を傾けて聞いてきた。
「ん。なんでもない。ぼくも兄さんと同じだよ。」
そう言うとアルもエドも笑った。
「、、、あーよかった、、、。これで拒否されたら僕どうしようかと、、、、。」
やっと肩の力が抜けたのかもやっと本当の笑顔になった。
「ところでの服、かわいいだろ?私が選んでやったんだ」
イズミがそんな三人の会話に入り込んできた。
「まぁ、私の娘のだから何を着ても似合うけどね」
そして惚気た。それを肯定するかのようにシグも一つ頷く。
こんな調子でカーティス家とエルリック兄弟の共同生活が始った。
2004/1/29脱稿
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