「暑い、、、、、、」
「、、、、、、、、、、、、」
炎天下の中、コンクリートジャングルを行くどう見てもこの国の人ではない二人。
「暑い、、、、、、、」
「兄さん、暑い、暑い言わないでくれる?ますます暑く感じるから、、、、」
どうやら兄弟らしい。
「なんでこの国はこんなに暑いんだ、、、、、!!!」
どうやら兄らしい、小さな人物は叫びをあげた。
夏休み
ここは日本。都会にも程近いベットタウンと称される郊外。
ベットタウンと称されるだけあり、ここは一軒家が多いが中には学生向けのアパートやマンションなどもほどほどにある。
兄弟は今、そのベットタウンにあるアパートに向かって歩いていた。
そう、ここ数日間姿を見せていない、友人の安否確認をするために。
ことの始まりはちょうど一週間前。友人が唐突に彼らの住んでいる家に顔を見せなくなった。
顔を見せないどころか、連絡さえない状態だ。
毎日顔を合わせていた兄弟にとっては青天の霹靂のような出来事でもあった。
何せ、こちらの世界にやってきてからの初めての友達であり同じ錬金術を極めようとする仲間でもある。
それよりも兄弟の弟の方、アルフォンスにしてみれば唯一のまともな人として貴重な彼がこの家に来ないことがとても、とても苦痛だった。
彼らの同居人(正しく言えば居候をさせてくれている人物)は、、、普通とはあまりにもかけ離れていた。
外に出れば、かなりの好青年に見られるのだろうがいかんせん、家の中ではそうではなかった。
傍若無人とは彼のためにある言葉かもしれないと初めて兄以外の人に抱いた。
アルフォンスの兄であるエドワードもかなりの人だが、彼に出会ってその考えは改められることに至った。
兄以上の人がいるとは、、、、、。
確かに自分たちの師匠にあたる女性もかなりすごい人だったか、この友人の師匠にあたるこの人物はもっと、、、、
なんというか、、、、黒かった。
人のことはおもちゃと思えと教えられてきたのか、人では遊ぶし(特に遊ばれているのはエドワードの方だが)
にこやかに笑顔でいるはずなのに背後では何かがうごめいているし、
時には暗い部屋の中で怪しげな呪文を唱えながら杖を振っているのをアルは目撃した。
それ以来、ますます同居人は怖くあり、そんな同居人に遊ばれている兄をなだめるという心労が高まってきた。
アルが友人を訪ねようと思ったのはそんな同居人と兄にほとほと疲れが出てきたためである。
蛇足だがアルにとってこの友人は一種の癒しであることをここに記しておく。
代わって兄、エドワードの方は単純明快だった。
ただ単に友人に、に逢いたい。それだけだ。
しかしアルと違うのは一週間前の初日から騒ぎ始めたことだろう。
なんであいつは来ないんだ?から始まりとうとう友人は病気で倒れてるんじゃないかとまで言い出したのである。
そしてぎゃーぎゃー騒いで、やっとのことで同居人であり現在の彼らの身元後見人でもある・ウィル・ウォルサムに金と許可を取り付けたのである。
(補足として彼らにこの世界で収入源はない。ちびちびと貯めたウィルからせしめる小遣いぐらいである。)
そして意気揚揚と友人であるの家を目指し、乗り慣れない電車に飛び乗った。
しかし、電車まではよかったのだが。電車を降りた途端、むっとする熱気が立ち上ったアスファルトに足を下ろすことになった。
現在ここはアスファルトに覆われた日本である。
そしてその日本の夏である。
大陸育ちでどちらかというと涼しい地域を故郷に持つこの兄弟にとっては体験したこともない暑さだった。
「なんなんだよ、、、この暑さは。」
「、、、、、、、、」
「なんでこう、汗がどんどん出てくるんだ。しかもそよとも風も吹かないなんて!」
「兄さん、、、、」
「第一この地面!この地面から立ち上ってくる熱気。どう考えても暑さを増徴させている!!!」
「、、、、、兄さん、、、、、」
「こういう暑さになるんなら熱を吸収して発散させるような材質を使うべきなんだ!」
「兄さん!!!」
アルはとうとう怒鳴った。
「、、、、、、、、、」
それを無言で見つめる兄。なんとも捨てられた子犬同然に不安そうな顔をしている。
「、、、、、、アル?」
アルがなかなか声を出さないので痺れを切らしてエドは声をかけた。
アルは俯いていたため、表情が見えない。
「、、、、、、、アル、、、、」
ますます不安になるエド。兄の威厳はどこへ行った?
「一々、うるさいの!うだうだ言ってるからますます暑くなるってさっきも僕、言ったよねぇ!」
かなりの怒気を顔にみなぎらせながらアルはエドを睨んだ。
「、、、、、、、、、、、」
エドの顎から汗が流れ落ちた。
こうして、エドは静かになったという。
照りつける太陽が真南に射しかかった時、エルリック兄弟はやっと目的の場所、家玄関口までたどり着いた。
「やっと、、、、、」
「、、、着いたね、、、、。」
エドの言葉をアルが続けた。
「長かったな、、、、」
「そうだね、、、、いつも車とかで連れてきてもらってたもんね、、、、」
「それにしても、オレたちだけでもここにたどり着いたな!」
エドは嬉しそうにアルの顔をみた。
実はこの兄、とうの同居人・ウィルに「ほんとーに行けんの?電車乗れるのー?エドワード君?」と
にやにやと笑われたことを根に持ってます。
「、、、、、、、、」
そのことを思い出し、未だ遊ばれていることに気付かない兄を心底可哀想に見つめた弟だった。
「んじゃ、さっそくお邪魔しよーか」
エドはアルのそんな視線を気づかずに上機嫌にチャイムを鳴らした。
「、、、、、、、、、、」
まぁ、ここ1週間連絡も寄越さない奴のことだ。すぐさま出てくるとは兄弟も思わない。
もう一度、今度はアルがチャイムを押す。
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
いやいや、これで出てきたらそんな心配した自分たちが馬鹿らしいよ。
そういうことを視線でやり取りする兄弟。
もう一度エドがチャイムを押す。
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
エドはパッとアルの顔を見る。もしかすると自分の言ってたことは本当なのでは。
アルも今度ばかりは汗を垂らした。
「、、、開けてみるか?」
「鍵、かかっているかもしれないし。どこかに出かけてるのかも」
とアルが言いかけた時、エドはドアノブを回した。
かちゃり。
「、、、、、、、鍵、開いてるな。」
「開いてるね」
エドはそのドアノブを握りながら見つめた。アルも同じく見つめている。
「、、、、、、、入るか!」
エドはそういうと勢いよくドアを引いた。
ガッ。
しかしドアを開けることは出来なかった。
「、、、、何これ?」
アルがドアにくっ付いている鎖を見て言った。
「、、、チェーンが掛かってる、、、、。」
エドも呆然としてドアと入り口の間を見た。
「ー!いるのかー?!」
エドは中に向かって声をかけた。が応答なし。
「チェーンが中から掛かっているってことは、中にいるんだよね?」
アルが兄に確かめるように言った。
「ああ、、、ってことは本当に倒れてるのかあいつ!!!」
エドはあの自分よりかなりひ弱そうな少年(年齢的には青年なのだがいかんせん、彼は青年と言うのを憚られるようななりをしている)
を思い浮かべた。
「、、、まさかと思ったけど、、、、」
アルはアルで廊下で倒れているを思い浮かべて青くなっていた。
「、、、強行突破あるのみ!」
エドはそういうとパンッと手の平を打ち合わせた。
そしてドアのチェーンに触れた。その途端かちゃんという金属音をさせながらチェーンは切れた。
「!」
エドはどかどかと土足のまま上り込み、居間へのドアを開け放した。
「ああ?何?」
そこには、、、、エアコンをがんがんにかけてベットに寝っころがりながらジュースを飲みながら本をめくるがいた。
ご大層に、バックミュージックまで流れている。
至って健康そうだ。
「、、、、、、、」
「、、、、、、、」
二人は少しの間、絶句していた。
「あー!!!二人とも!ぼくの家では土足禁止って言ったでしょ!もうこれだから外国の人はー」
は二人が土足で自分の家に入り込んできていたことに気付き眉間に皺を寄せながらお小言を言っている。
しかし二人の耳には何も入ってこない。
自分たちの心配はなんだったんだろう?
いや、それよりもここに来るまでの労力はなんだったんだろう。
自分たちはあんな暑いアスファルトの上を文字通り、身を焦がしながらやって来たというのに。
こいつは、、、こいつは、、、なんて快適そうなんだ。一人で涼んでやがるんだ!?
ちなみにここまで思考回路が動くまでに、彼らは雑巾を持たされ自分たちの足跡を綺麗に掃除させられた後のことだった。
蛇足だが、二人の友人であるはこの後、こっぴどく二人に絞られたことは(決して怒られたのではない)想像に難くない。
えー、氏は大学が夏休みに入ったので1週間、遊ぶ決意をしたらしく。
その間、頭の痛くなる師匠の家には寄り付かなかったというのがことの真相みたいです。
師匠も師匠で、わかっているので何もせず。
(何かしても決してが家から出てくることはないことを彼はここ数年で学んだ。)
チェーンも師匠避け対策の一環。いや、自分の家にやってくる奴ら撃退法とでも本人は思っているに違いない
しかし、エルリック兄弟には(特に兄のほうには)そんな物、役に立ちません(笑)
そしてそんなことは知らないエルリック兄弟がを心底、心配していたりするという話を書きたかったのかな?
んー、、、ちょっとリハビリをした方がいいかもしれない。
駄作の中の駄作を書いてしまった、、、、。
そのうち、書き直します。
2004/9/29脱稿
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||