「というわけで協力してくれ!二人とも」
はそういうと二人の手を握り締めた。
『錬金術師労働組合』結成
「今回ぼくは錬金術師という職種、また人種の労働条件、経済的社会的向上をはかるための仲間を募って組合を作ろうと考えました」
突如現れた。にこやかに、滑らかにの口は動く。
「ちなみに会長はエドワード・エルリック氏、副会長をアルフォンス・エルリック氏に認定しました。」
二人は目の前の友を呆然と見つめた。なんというか言葉もでない。
「ぼくは幹事です。」
はそういうと胸をはった。
「、、、、、、なぁ。」
エドがおもむろに口を開く。
「どこから突っ込んだらいいの?。」
アルがエドの言葉を引き継いだ。
「は?どこも突っ込むところは無いぞ?」
は眉毛を寄せながら二人に言った。
「、、、まず、一つ。なんでオレが会長なんだ?」
「二つ。なんで僕が副会長なの?」
エルリック兄弟はそれぞれに認定されたものについて疑問をぶつけた。
「「三つ。その組合って何?」」
兄弟の声は見事にはもった。
「錬金術師労働組合」
はさも当然という顔をして答えた。
「第一、そういうもんは発案者が会長だろ?普通。それにここでは錬金術は隠秘学で職業じゃないだろ。」
エドは正論を言っている。
「そうだよね。兄さん」
アルもエドの意見に賛同した。
「や、同盟でもよかったんだけどなんか労働組合の方がかっこいいなと思って」
ずこーっと二人は見事にこけた。
「、、、結局何がやりたいのさ、、、、?」
アルは起き上がりながら聞いてみた。まともな答えが返ってくるとは考えられないが。
「それはね、、、、、。」
「それは?」
が言葉を溜めたのでエドが繰り返す。
「あのど畜生で鬼のにもう少しぼくの自由な時間を作ってもらうための交渉をするのさ!」
はそう言って拳を握り締めた。
「いい?ぼくは確かに半人前さ。早く一人前になりたいさ。でもね、ぼくには学生という本業があるんだ!
学生には色々なことがあるんだ。調べ物をしたりレポートを書いたり研究会に参加したり。それがどうだ!
はやれ、構築式だの練成陣を覚えろだの、、、。あげくのはては、皿が割れた、直せとかメシ作れだとか用事を言ってくる!!!!」
悔しそうに歯を食いしばりながらは語りつづける。
「そこで、ぼくは考えた。ぼくのこの環境をどうすれば改善できるか。それは組織の力を借りることだ。」
というわけで協力してくれ!二人とも」
はそういうと二人の手を握り締めた。
「「、、、、、、、、、」」
なんて哀れな、、、、。
エドもアルもその言葉を飲み込んだ。それを言ったら最後、彼の思う壷だ。
きっととの交渉に己らも駆り出されるに決まっている。しかしそんな危険なことは犯したくは無い。
余計な火の粉をかぶりたい酔狂はここにはいない。
それにそれは師弟間の問題だ。自分たちが割り込む問題ではない。
それはも心得ていた。だから彼は今度は泣き落としに掛かった。
「二人とも、、、ぼくがこんなに苦しんでいるのに助けてくれないの、、、?」
潤んだ目で少し見上げるようにして、いつもなら子ども扱いされるだろうから使わない言葉遣いで言う。
それはもう、無垢で幼い少年の顔に見えた。
「「、、、、、、、、、、、」」
二人は居たたまれなくなった。なんだか幼児虐待している気分だ。
そしては顔を下に向けると手で拭った。
「、、、、、、わかったよ。どうすればいいんだ?」
折れたのはエドだった。元々女と泣く子には勝てない奴だ。
その言葉を待ってましたとは勢い良く顔をあげた。その顔はまるで花が咲いたかのようににぱぁっと輝いている。
それを見てエドの顔もほころんだ。
「に、兄さん!」
アルは危険を察知した。これは、、、、、。
「エド!やっぱりエドは頼りになるよ!ぼくの思った通り!!」
はそういうとエドに抱きついた。そしてアルは見た!エドの見えないところでがにやりと子どもらしからぬ笑みを浮かべた瞬間を。
『兄さん!だまされてる!!』
先ほどまで自分もの幼子のような顔にだまされていたことを棚に上げ、アルはそう思った。
だがあえてここではもう何も言うまい。、、、、だって既に自分たちは火の中に飛び込んでしまったのだから。
to be continue ?
2003/12/11脱稿
『錬金術師労働組合』がさんの世界で結成された時の話。
錬金術師労働組合さんに参加記念の話です。もう少し続きます。
はたしてさんの野望は達成されるの?それはのみ知る。
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