「お前らとなら笑って話せると思ったのに!」
『あぁ、そうか、』
僕は唐突にの気持ちがわかった。
の気持ちに僕もなったことがあるから。
「!待って!」
僕はの涙にショックを受けたのか静かになった兄をそこにおいての後を追った。
『謝らなきゃ、、、さっきの意味じゃなくて、ほんとの意味で、、、!』
に外に出られると厄介だ。僕たちはこちらの世界に来てから結構経ったけどまだこの家から出たのは数える程度でしかない。それにこの家のまわりは林に覆われてる。暗くなると見つけにくくなる。
何よりもが家に帰られたら大変だ。しばらくここに来てくれなくなるかもしれない。
そうでなくてもダイガクというものに通っていてなかなか会うことはできない。
でもそんなぼくの考えを他所にはすぐに見つかった。台所でさっき持っていったカップを洗っていた。
「、、、、、、、、」
僕は痛々しい姿を見つめた。はカップを洗いながらぽろぽろと眉間に皺を寄せながら涙を流していた。
「、、、、、、、」
反応が無い。もう一度呼んでみる。
「?」
「なんだよ、、、、、アル、、、」
は口をへの字に曲げながら聞いてきた。
「さっきはごめんね、、、、、」
「聞きたくない!そんなこと言わなくていい!!」
「いや、その事じゃなくて、、、」
「なんのことだよ!だまれ!!」
彼らしくない荒々しい言葉だった。ふと自分の兄を思い出してしまう。
「さっきのこと、謝ったことを謝りに来たんだ、、、、」
僕は静かに、相手を刺激しないように言った。
「どういう意味さ、、、、、」
はそういうと最後のカップを洗い終わりコトリと置いた。そして僕のことを潤んだ目で睨みながら見つめてきた。
僕は息を吸うと話始めた。母さんが死んだ時のことを。
「かあさん、かあさん、死んじゃイヤだ、かあさん、、かあさん!」
「母さん、、、、、母さん、、、、だめだよ、置いてかないで、かあ、さ、ん」
僕たちの手を掴んでいた母さんの手がふっと力を失って。
ベットのシーツの落ちた。それから母さんはぴくりとも動かなかった。
「「う、うわぁーーん」」
僕たち兄弟はすぐに泣き出した。
葬儀はピナコばっちゃんや村の人がやってくれた。
兄さんは泣かなかったけど僕はずっと葬儀の間も泣いていた。
それを見て村の大人の人がこう言ったの覚えている。
「かわいそうに、、、。」
そういって彼らは必ず僕も頭を撫でてくれた。でも撫でてくれる度に僕は悲しくなった。
いつしかその頭が撫でられることも嫌になっていた。
「小さくってその時はわからなかったけど、きっと今のと同じ気持ちだったんだと思う。」
僕はたんたんと言った。
「僕はかわいそうな子どもじゃなくて自分を見てほしかったんだと、ありのままの僕を受け止めて欲しかったんだと」
「同情とかなんかが欲しかったんじゃないと」
僕はそう言うと目を上げた。そこにはまだ涙目で口をへの字にしているが真っ直ぐ僕を見つめる目があった。
「だから、が言いたいことはわかったんだ、、、が同情が欲しかった訳じゃないって。だからごめん。確かに最初ちょっとだけ同情した。でももうそんなこと思わない。だってはだもの。僕はが好きだもの。」
そう、言い終えるとますます、変な顔になったの顔が目の前にあった。
「アル、、、、さっきはぼくも言いすぎた。ごめん。、、、、それにぼくも気が早かったんだと思う。、、、錬金術を認める人ってあまりいないから、、、、うん。こっちもごめんね。ぼくもアルのこと大好き」
そういうとはまたぽろぽろと涙を流した。
僕はそんなを僕は抱きしめた。
「アル???」
は驚いて僕の顔を見上げてきた。絶対自分より年上だとは思えない幼い顔がそこにはあった。
「泣かないで、、、って言っても泣いちゃうんだろうから僕の胸を貸してあげる。」
これでチャラにしてね。そう言ったら彼はぎゅうっと僕を抱きしめた。
「あぁ!チャラもチャラ!、、、アルって絶対女にモテんな。優しいし」
男のぼくも惚れちゃいそうだよ。
そう彼が言ったのはしばらく経って落ち着いた頃だった。
2003/11/12脱稿
私はアルが一番この中でモテると断言いたします。男前!絶対甲斐性もあると思う。
さてさて、お豆さんはこうはいかないだろう。どうする豆!これを超える謝り方ができるか豆。つーか謝ってくれるのか豆!(汗)
そうしないとこのシリーズはこのままアル一本調子になっちまうぞ!
あぁ、まみさんが喜ぶ顔が浮かぶよ、、、。
なんか最後の文がなんともそれらしく、聞こえて消すかどうするか迷った。
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