「助けて!殺されるー」

「人聞きの悪いこと言わないでよ。僕がそんなことすると思う?」

「めちゃくちゃ思う!」

 

 

「「、、、、、、、」」

「なぁ、アル、、、、、」

「なあに?兄さん?」

「オレたち、どうするべきだろう、、、、、」

彼らは困っていた。

目の前に広がる惨事を見つめながら。

 

 

 

ことの始まりはのこんな言葉ではなかったろうか。

「じゃ、じゃーん!見よエルリック兄弟!」

の取り出したるは液体が入ったフラスコだった。

「何それ?」

「ふふふ!ぼくが蒸留したお酒!ウィスキーさ!」

はそういうと愛しいものを見つめるような目線でフラスコの中身をみた。

「、、、、なんでお酒なんか蒸留してるのさ?」

アルフォンスがもっともらしいことを聞いた。

「錬金術師といったら蒸留することを開発したことで有名だぞ!そんなことも知らないの?」

彼は自慢げに高々とそう言い放った。

「いや、知ってるけど、、、、」

それとこれとどんなつながりがあんだよと兄弟は視線を交わした。

「知ってるなら察してよ!ぼくの修行の成果さ!」

はそういうときらきらした目で兄弟を見つめた。

 

そう、このは錬金術師だ。それも修行中の。

今現在エルリック兄弟がお世話になっている・ウィリアム・ウォルサム(エドたちは彼をウィルという愛称で呼んでいる)は彼の師匠である。

 

「、、、、修行?」

アルフォンスは頭を傾ける。

「、、、今更、酒の蒸留なんかやれってウィルに言われたのか?」

エドワードも問う。

「いや!んなわけないよ。」

はひょうひょうと言いのける。

「んじゃ何やってんだよ、、、」

とそんなにエドワードは突っ込んだ。

「決まってんじゃないか。飲むために作ったんだよ」

二人は固まった。

 

「、、、、ちょっと待ってよ。

アルフォンスが先に復活。

は未成年じゃなかったっけ、、、?」

「おう!未成年だぜ。だから自分で作ったんじゃないか。」

「「、、、、、、、、」」

二人は言葉がでなかった。

「苦労したんだぜ〜」

うきうきとした表情では苦労話をし始める。

の姿、この頃見ないなって思ってたけど、、、、」

「オレはまたダイガクってのに行ってるのだと、、、、」

「「そんなことやってたのか、、、、」」

「そこ!そんなこととはなんだ!しかもハモらない!」

はびしっと兄弟を指差した。

「、、、んでその苦労してそんなことしてたさん、オレたちになんか用?」

エドワードは突っ込むのをあきらめ肩を下ろしながら言った。

「そうなのだよ。エドワード君、ようやく本題に入ろう」

はふっふっふっと笑った後にこう発言した。

「酒盛りをしようではないか!」

 

 

「、、、、、お気持ちはありがたいのですがここは謹んでお断りを」

「ちょっち待て、アル!なんだそれ!ぼくの酒が飲めないっての?!」

「そういう訳じゃなくて、、、、」

アルフォンスは困った。

「んじゃエド!君は飲むよね?」

いわば脅迫めいた笑顔を浮かべながらはエドワードに話を振る。

「、、、いや、あの」

エドワードとアルフォンスは顔を見合わせた。

「あっまさかー二人とも飲んだことないとか言わないよね〜」

ははっと気がついたあとにやにやと笑い出した。

「「、、、、、、、、」」

二人は無言でお互いの顔を見るばかり。お互い思っていることは一つ。

『どうしよう』

 

「アルはしょうがないとしてもエドまで飲んだことないなんて思わなかったな〜」

はちゃかすようにエドワードの顔を指でつつく。

「んだとー!そう言ってる!あんたは」

どうなんどよ!とエドワードが叫ぶ前に答えは出た。

「あぁ、飲んだことあるよ。小学生の時に」

「ショウガク、、、、?」

アルフォンスは聞いた。彼らはこの世界にきてまだこちらの社会制度を理解していない。

「あっ小学生ってのは満6歳から12歳のこと。」

「「ちょっと待て」」

「あーなんでそんな子どもがって言うんでしょ?ぼくが悪いんじゃないからね。言っとくけど。」

はプーと膨れながら話した。

「あれはね、わるーい、わるーい、お兄さんがね、ぼくにジュースだよって」

「勧めたんだよね〜。で、何してるのかな?

はまるで石のように固まった。今まで話をしていた人たちとは声が違う人の声が聞こえたからだ。しかも自分の背後から。

「あ、ウィルさん。」

「やぁアルフォンスくん、んでそのわるーいお兄さんって誰のことかな?

「いやぁ、師匠誰もあなたなんて言ってないですよ。」

そう言いつつはそそくさと兄弟の後ろに隠れた。

「久しぶりに見つけたと思ったら、、、何やってんの?しかもそのフラスコは何?」

にこにこにこ、は端正な顔に笑顔を浮かべている。しかしどう見ても背後からどす黒い暗雲が立ち込めている。

「う、、、」

「しかも大学にも顔、見せてないでしょ?僕、教授から言いがかりつけられたんだけど。」

そういいながらはエドワードとアルフォンス、そしてその二人の背後にいるににじり寄った。

「「「、、、、、、、」」」

三人は無言で後ろにさがる。怖い。

「なんで逃げるの?僕そんなわるーいお兄さんじゃないよ?」

ガシャンっとガラスが割れる音が始まりだった。

 

 

「ねぇ、兄さん、、、僕、思ったんだけどね、」

「ん、なんだアルフォンス?」

エドワードは弟に目を向けずに聞いた。

「、、、どこの世界のお師匠さまってものはこんなモノなのかな、、、」

アルフォンスはこの世界にはいない、自分たちの師匠のことを思い出してかブルブルと震えていた。

まさに自分たちの目に前に繰り返されているのは自分たちも経験したことのある世界だった。

「さぁ、、、でもさ、ウィルさんは普通の人だと思ってたのにな」

 

家の中はぐちゃぐちゃだった。は逃げるために途中でこの前、エドワードに習ったばかりの錬金術でバリケードを築くがはそんなものも物ともせずにを追う。

 

嵐は収まらない。

 

2003/11/11脱稿

落ちてない、、、落ちてくれない、、、何がしたかったんだ、、、己は。

まさしく、山なし落ち無し意味なし=ヤオイ。意味があるとすれば主人公の師匠は兄弟と同じ系列っぽいということが判明?

あー本編がまだ追いついてないのに何書いてんだろう、、、(涙)。

なんかこの連載の主人公はかなりかわいそうですな、、、。

補足:これを書いていた当初、彼の設定は未成年だった、、、 

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