「あるー、、、どっか遊びに行こー、、、」

そういうとは鎧の僕の背中に覆い被さった。

いや、正しくはおんぶしてきたのだが。

 

 

 

 

 

どっちかというと僕は乗り気ではなかった。

だって、今の僕の姿は鎧だから。

でもはどんどん僕の前を闊歩していく。

「アルー、ちゃんとついて来てくれてるー?」

少しもそんなことを考えていないくせにはそういうと後ろからついて行く僕を振り返る。

その笑顔はとても眩しくて。

だから僕はのその笑顔が見たくて乗り気ではなくてもこうやってついて来てしまうのだ。

でもほんとはそれはいけない事だってわかっているのに。

 

 

 

 

 

 

僕の今の姿はとても、とても目立つ。

なんたって2メートル以上の身長で体全体を覆っている鎧甲冑だ。

加えて言うならは未だ十代の少女だ。

この組み合わせに町のみんなは振り返ること振り返ること。

僕は普通の人と違い、見ようと思えば360度すべての状況を把握することができる。

まぁ、やろうと思えばのことだけど。いつもは通常目がついているだろう前方しかみていないけど。

でもきっと生身の体だったとしても視線は痛々しいぐらい感じたに違いない。

僕は好きな女の子に、いや付き合っている女の子にそんな想いはさせたくはなかった。

どう考えても僕らの関係は奇異に写っていることは明確だ。

そんな奇異の目に彼女を晒したくはなかった。

これはに責任があるわけではないのだ。

非があるとすれば。あの時に禁忌を犯してしまった、僕の咎なのだ。

受けてしかるべき世の風当たりなのだ。

それなのに、一緒にいるだけでまるでも僕同様に咎を受ける必要は何もないのだ。

極論を言えば、は僕なんかと付き合っていてなんの利益にも、

利益になる以上に不利益を伴っていることは明確である。

それが僕には堪えられなかった。

だから僕はと一緒に外出するにはとても渋って乗り気にはなれなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕のそんな思考とはお構い無しに、は僕の左手を握ったまま僕を引きずるかのようにズンズンと前へ進む。

言っとくけど、実際には引きずられてないからね。

こんな細い女の子に今の僕が引きずれるわけは無い。

僕が動こうと思わなければには梃子でも動かせないだろう。

そんなことをすれば僕を意地でも動かそうとしては勢いで転んでしまうかもしれない。

そう考えると動かないわけにはいかない。

だって、は僕の大事な子だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

だから僕はやるせなくなるんだ。

今だってと僕は奇異な目で見られている。

あの人たちにはどう写っているのだろう。僕たちの姿が。

は時々、振り返って僕の隣まで戻ると腕を組んで歩いたり。

(まぁ、今の僕の腕周りのことを考えたら腕を組むというよりはが腕に纏わりつくが正しいのかもしれない)

そう思うと

「あ!アル!!!あのお店、かわいいねぇー」

と言って僕の左手を握り締めたまま駆けて行こうとする。

 

多分、僕が今、本当の(いや今はあちらがまやかしかもしれない)生身の姿だったなら。

そう、きっとより少し背が高くて。

腕を組める腕があれば。

抱きしめられる体があれば。

肉の体ならば。

恋人同士に見られたのかもしれない。

でもきっと今の僕らの姿は恋人なんて間柄には決して見えないだろう。

良くて兄弟。もしくは親子。

悪ければ従僕に主人のお嬢さま。

それにしては仲睦ましすぎるかもしれないけど。

、、、、、、はどういう風に見られているのだろう、、、、、、。

これはとてもじゃないけど考えたくない。

だってそれを考えるとやっぱり僕とは釣り合わないというか。

そういう考えしか浮かんでこないから。

でも、だからと言って。

僕はが他の誰かと歩いて行く姿を見たいわけじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、神さま。

あなたの与えた罰はこんなにも厳しく切ないものだったのだと。

痛む肉の体が無いというのに。

こんなに魂が痛むなんて。

そして、咎人のくせに未だに望まないではいられない僕の妄執を。

といると気付かずにはいられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2004/10/6脱稿

 

 

 

 

 

To藤原水夏さま From夢見由宇

 

 

藤原水夏さんのサイト「鋼工房別館」と相互記念の夢小説です。

、、、、、、、(平伏し)

、、、、、、、、、、、、、(土下座)

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。

ごめんなさい!大変お待たせいたしました!!!

書こう、書こうと一生懸命だったのですが。

サイト更新もままならずに。

こんなにお待たせすることになってしまいました。

もう、これは腹を切ってお詫びしか(切腹じゃー!切腹じゃーーーー!!!)

しかもなんだかアルの苦悩で話は終わっています。

しかもアルと会話してないよーーーー(叫)

特にあまあまとか指定は無かったはずと思いながら書いてます、、、、、、。

もしも、何か、不都合がありましたらご連絡ください。

次はもっと楽天的かつアルと2人の世界を作ります。

本当にごめんなさい、、、、。

夢見由宇

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