じー、、、、、、。
じーーーー、、、、、、。
「ねぇ、何してるの?」
僕は堪えられなくなり僕のことを凝視しながら何か考えているに声をかけた。
「いやぁ、、、ねぇ。」
ふむっといった感じにあごに指をあてる。
「何?」
あまりにも歯切れの悪い返事だったので僕はを畳み掛けた。
「うん。アルってさぁ、、、大きいなぁって」
「へ?あ、うん。大きいよね。」
そういうとは僕の足元から兜の角までしげしげと眺めた。
そして不意に動いた。
「?」
急に僕の視野からの姿が見えなくなる。
「だってほら、私の腕、回しても届かないよ。この太もも。」
声が聞こえたのは僕の足元で。
「うわわわわわわわ!!何してるの!」
は僕の大腿部に抱きついていた。
なんだか、視覚しかないから。僕には視覚しかないから余計に感じてしまったのかもしれない。
いつも僕はを見下ろして、は僕を見上げて顔を合わせているけど。
今、この状態はとても。
僕を動揺させるに値した。
好きな女の子が僕の足元にひざをついて座っていて僕のことを見上げて、それでなお笑顔で微笑んでいるのだ。
この時、僕は体がなくてよかったような悲しいような複雑な気分になった。
だってそうしたらのことを抱きしめることができる。
でもにそんな浅ましい僕を見られるのもやっぱり少し抵抗がある。
「あ、もしかしてアル、照れてる?」
はにやにやといやらしい笑みを浮かべて僕に聞いてきた。
「え?そんなことないよ!」
僕は虚勢をはる。
「うそ。だってアルの顔、真っ赤だよ?それに声は上ずってるし」
そう言い終るか終わらないかではすっくと立ち上がり僕の前掛けをちょいちょいとひいて僕をしゃがませた。
「?」
僕が頭を傾げながら従うとは僕の顔、鋼鉄の兜にほっぺをくっつけて言った。
「ほら、熱だってある。それに私、アルのことなら声だけだってわかるんだから。」
そういい終わると僕の頭を包み込むように抱きしめて言ってくれた。
「アルのそういうところ、大好き!」
2004/2/18脱稿
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